
進路が決まらない君へ。焦らなくて大丈夫、その悩みは君だけじゃない。
「周りの友達は、もう志望校を決めて受験勉強を始めているのに…」
「先生や親からは『早く進路を決めなさい』って言われるけど、そもそも何をしたいのか分からない…」
「将来のことを考えると、不安で胸が苦しくなる…」
今、この記事を読んでいる君は、こんな風に一人で悩みを抱えているかもしれませんね。進路という、人生の大きな岐路を前にして、足がすくんでしまうのは当たり前のことです。
まず、一番に伝えたいこと。それは、「進路が今すぐ決められなくても、まったく問題ない」ということです。
実は、高校生の段階で「これが私の天職だ!」と確信を持って進路を決められる人の方が、むしろ少数派なのかもしれません。多くの高校生が、君と同じように悩み、迷い、不安を感じながら、少しずつ自分の道を探しています。その悩みや焦りは、君が自分の人生に真剣に向き合っている証拠。だから、自分を責める必要はまったくありません。
この記事は、そんな風に進路に悩む君のために書きました。
なぜ進路が決められないのか、その根本的な原因を一緒に探り、そこから抜け出すための具体的なステップを、一つひとつ丁寧に解説していきます。
この記事を読み終える頃には、「どうすればいいかわからない」という漠然とした不安が、「まずはこれをやってみよう」という具体的な行動プランに変わっているはずです。
君のペースで、気になるところから読んでみてください。
さあ、一緒に「決められない」のトンネルを抜ける冒険に出かけましょう。
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なぜ?高校生が進路を決められない5つの理由【自己分析編】
「どうすればいいか」を考える前に、まずは「なぜ決められないのか」という原因を冷静に見つめてみましょう。自分の心の状態を客観的に理解することで、解決の糸口が見えてきます。

「やりたいこと」が見つからない・わからない
これが最も多くの高校生が抱える悩みでしょう。「将来の夢は?」と聞かれても、ピンとこない。ドラマや漫画の主人公のように、熱中できる何かに出会えていないと感じてしまう。
でも、考えてみてください。高校生活は、勉強や部活、学校行事で毎日が目まぐるしく過ぎていきます。社会に出て働く大人たちと接する機会も限られています。知らないこと、経験したことがないことが世の中にはたくさんあるのですから、「やりたいこと」が今すぐに見つからないのは、ごく自然なことなのです。
「やりたいこと」という壮大なテーマにプレッシャーを感じる必要はありません。まずは「ちょっと気になる」「なんだか面白そう」という小さな好奇心から始めてみることが大切です。
選択肢が多すぎて選べない
大学の学部だけでも数えきれないほどあり、専門学校、就職、留学…と、目の前には無数の選択肢が広がっています。情報が多すぎるあまり、かえってどれを選べばいいのか分からなくなり、思考が停止してしまう。「決定回避の法則」と呼ばれる心理現象です。
例えば、ジュースの自動販売機で、種類が2つしかなければすぐに選べるのに、30種類もあると迷ってしまってなかなかボタンを押せない、という経験はありませんか? それと全く同じことが、進路選択でも起きているのです。
この場合は、いきなり「ベストな一つ」を選ぼうとするのではなく、まずは「これは違うな」という選択肢を消していく「消去法」で考えるのが有効です。
自分の「好き」や「得意」に自信が持てない
「絵を描くのが好きだけど、プロになれるほど上手くないし…」
「人と話すのは得意だけど、それが仕事に繋がるイメージが湧かない…」
自分の「好き」や「得意」を自覚していても、「それが進路として成立するのか?」「お金を稼げるのか?」と考えてしまい、一歩を踏み出す自信が持てないケースです。周りのすごい人と比べてしまい、「自分なんて…」と自己評価が低くなっているのかもしれません。
しかし、「好き」や「得意」は、必ずしも直接的な職業に結びつける必要はありません。例えば、「絵を描くのが好き」という気持ちは、美術大学だけでなく、Webデザイナー、ゲームのキャラクターデザイナー、建築士、商品のパッケージをデザインする仕事など、様々な分野に繋がる可能性を秘めています。
まずは自分の「好き」「得意」を素直に認め、その気持ちを大切にすることから始めましょう。
将来への漠然とした不安(お金、安定など)
「好きなことを仕事にしても、食べていけるのだろうか?」
「これからはAIに仕事が奪われるって聞くし、安定した職業って何だろう?」
将来の経済的な安定や、社会の変化に対する不安から、進路選択に慎重になりすぎて動けなくなってしまうパターンです。特に、真面目で責任感の強い人ほど、この傾向が強いかもしれません。
安定を求めることは、決して悪いことではありません。しかし、未来を100%予測することは誰にもできません。今の「安定」が10年後、20年後も「安定」である保証はないのです。
大切なのは、「どんな時代になっても対応できる力」を身につけることです。そのためには、自分が本当に興味を持てる分野で、学び続ける意欲を持てる進路を選ぶことが、結果的に将来の安定に繋がるという視点も持ってみましょう。
自己分析の方法がわからない
「自分と向き合えと言われても、具体的に何をすればいいのか分からない」という声も多く聞かれます。ただ漠然と「自分とは…?」と考えても、答えはなかなか出てきません。
自己分析は、いわば「自分という名の取扱説明書」を作ること。それには、適切なツールや質問、フレームワーク(考え方の枠組み)が必要です。やみくもに考えるのではなく、正しいやり方を知ることで、効率的に自分への理解を深めることができます。
次の章では、この「自己分析」を含め、「決められない」状態から抜け出すための具体的な方法を、7つのステップで詳しく解説していきます。
「決められない」を抜け出す!具体的な7つのステップ
お待たせしました。ここからは、いよいよ具体的なアクションプランです。「何から手をつければいいか分からない」という君のために、今日から始められる7つのステップを用意しました。全部やろうと気負わず、できそうなものから一つずつ試してみてください。
Step 1:まずは「不安」の正体を書き出す(思考の整理)
頭の中でグルグルと考えているだけでは、不安はどんどん大きくなるばかり。まずは、心の中にあるモヤモヤを、すべて紙に書き出してみましょう。これを「ジャーナリング」や「ブレインダンプ」と言います。
【やり方】
- ノートとペンを用意する。(スマホのメモ帳でもOK)
- 「今、何に不安を感じている?」「何に悩んでいる?」と自分に問いかける。
- 思いつくままに、箇条書きで書き出していく。
- 例:「志望校が決められない」「やりたいことがない」「勉強のやる気が出ない」「親に反対されたらどうしよう」「お金のことが心配」「友達に置いていかれる気がする」など。
- 誰に見せるわけでもないので、文法や綺麗さなど気にせず、正直な気持ちをすべて吐き出します。
【効果】
- 客観視できる: 頭の中のモヤモヤが文字として可視化され、「自分はこんなことで悩んでいたのか」と客観的に捉えられます。
- 不安が軽減する: 不安を外に出すだけで、不思議と心がスッキリします。
- 課題が明確になる: 書き出したリストを眺めると、「解決すべき課題」と「ただの思い込み」を区別できるようになります。
まずは5分間、タイマーをセットして試してみてください。思考を整理する第一歩として、非常に効果的です。

Step 2:「できないこと」ではなく「やりたくないこと・苦手なこと」から考える
「やりたいこと」が見つからないなら、逆のアプローチを試してみましょう。つまり、「絶対にやりたくないこと」「苦手なこと」をリストアップするのです。
【やり方】
ノートの左側に「やりたくないこと・苦手なこと」、右側に「なぜそう思うか?」を書き出してみましょう。
- 例1
- やりたくないこと: 毎日同じ場所で、同じ作業を繰り返す仕事
- なぜ?: 飽きっぽい性格だから。色々な場所に行ったり、新しいことに挑戦したりしたい。
- → 見えてくるヒント: 営業職、フィールドワークのある研究、プロジェクト単位で動く仕事などが向いているかも?
- 例2
- やりたくないこと: 大勢の人の前で話すこと
- なぜ?: 極度に緊張してしまうから。一人で黙々と作業する方が好き。
- → 見えてくるヒント: 研究職、プログラマー、職人、データ入力など、専門性を活かして集中できる仕事が向いているかも?
- 例3
- 苦手なこと: 細かい数字の計算、データの管理
- なぜ?: ミスが多くてストレスを感じるから。
- → 見えてくるヒント: 経理や会計事務は避けた方がいいかも。代わりに、人と接する仕事や、クリエイティブな仕事を探してみよう。
このように、消去法で選択肢を絞っていくことで、自分が進むべき方向性の大枠が見えてきます。「これだけは避けたい」という軸ができると、進路選びがグッと楽になります。
Step 3:徹底的に自己分析!自分を知るための具体的なツールと質問集
自分を深く知ることは、納得のいく進路選択の土台となります。ここでは、具体的な自己分析の方法をいくつか紹介します。ゲーム感覚で取り組んでみてください。
好き/嫌い、得意/苦手 マトリクス
紙に十字線を引いて、4つのエリアを作ります。
「好きで得意なこと」「好きだけど苦手なこと」「嫌いだけど得意なこと」「嫌いで苦手なこと」
この4つのエリアに、自分の経験やスキルを書き込んでみましょう。
- 好きで得意なこと: ここが君の「強み」の源泉です。進路の最有力候補になります。(例:ゲーム、人と話す、計画を立てる)
- 好きだけど苦手なこと: 努力すれば「強み」に変わる可能性アリ。学びたい分野のヒントになります。(例:歌う、英語、デザイン)
- 嫌いだけど得意なこと: 人から頼られることが多いけど、続けるとストレスになるかも。仕事にするかは慎重に。(例:PC入力、整理整頓)
- 嫌いで苦手なこと: ここに分類されることは、なるべく避けるべき分野です。(例:単純作業、人前に立つこと)
価値観マップ(仕事・人生で大切にしたいこと)
どんな人生を送りたいか、どんな働き方をしたいか、自分の「価値観」を明確にします。以下のリストから、自分が大切にしたいと思うものを5〜10個選んで、優先順位をつけてみましょう。
- リスト例:お金、安定、社会貢献、人からの感謝、成長、挑戦、自由な時間、仲間、専門性、リーダーシップ、創造性、穏やかな生活、世の中への影響力、知的好奇心を満たすこと…
この価値観が、企業選びや学部選びの重要な判断基準になります。例えば「自由な時間」を重視するなら、残業の少ない業界や、フレックスタイム制のある企業が候補になります。「知的好奇心」が最優先なら、大学院まで進んで研究者の道を目指すのも良いでしょう。
マンダラチャート(目標達成シート)
メジャーリーガーの大谷翔平選手が高校時代に活用したことで有名になったツールです。
3×3の9マスを用意し、真ん中に大きな目標(例:「〇〇大学に合格する」「Webデザイナーになる」)を書きます。そして、その周りの8マスに、目標達成に必要な要素を書き込みます。
さらに、その8つの要素を、それぞれ別の9マスの真ん中に置き、同じように周りに具体的なアクションプランを書き込んでいきます。
これは目標を具体化し、やるべきことを明確にするのに非常に役立ちます。まだ目標が漠然としている場合は、真ん中に「理想の自分」と書いて、どんな要素で構成されているかを考えてみるのも良いでしょう。
おすすめの進路診断ツール
Web上には、いくつかの質問に答えるだけで、自分に向いている学問や職業を診断してくれるツールがたくさんあります。これらをゲーム感覚で試してみるのも、視野を広げるきっかけになります。
- スタディサプリ進路「適職・適学診断」: 簡単な質問で、おすすめの学問分野や職業を教えてくれます。
- マイナビ進学「適学・適職診断」: 自分の興味や関心から、ぴったりの学問や仕事を探せます。
- リクナビ進路「シゴトなる診断」: 5つの動物タイプで、自分の仕事観や向いている働き方を診断してくれます。
※診断結果はあくまで参考です。「こんな選択肢もあるんだ!」という発見のツールとして活用しましょう。
Step 4:小さな「好き」や「興味」を深掘りする
「特にやりたいことはない」という人でも、日常生活の中に「ちょっと好き」「なんとなく気になる」というものは、探せば必ずあるはずです。その小さな種を、深掘りしてみましょう。
【深掘りの方法:「なぜ?」「どんなところに?」を繰り返す】
- 例1:「YouTubeを見るのが好き」
- なぜ好き? → 面白い企画を見るのが好き。
- どんな企画が好き? → ドッキリ系、旅行系、ゲーム実況。
- その企画のどんなところが好き? → 意外な展開にワクワクする。知らない世界を見れるのが楽しい。
- → 連想される進路・学問: 人をワクワクさせる企画を考える放送・メディア系の学部? テレビ番組の制作? 旅行の楽しさを伝える観光学部? 面白いゲームを作る情報学部やゲーム系の専門学校?
- 例2:「友達と話している時が楽しい」
- なぜ楽しい? → 相手の話を聞いて、アドバイスするのが好き。
- どんな時にやりがいを感じる? → 「ありがとう、スッキリした」と言われると嬉しい。
- → 連想される進路・学問: 人の心をサポートする心理学部? カウンセラー? 課題解決を手伝うコンサルタント? お客様の相談に乗る販売職? 生徒と向き合う教育学部?
このように、自分の「好き」を分解し、その構成要素を考えてみることで、思いがけない学問や職業との接点が見つかります。
Step 5:情報のシャワーを浴びる!インプットを増やそう
決められない原因の一つに、単純な「情報不足」があります。知らないものは、選びようがありません。意識的に、進路に関する情報のシャワーを浴びてみましょう。
【具体的な情報収集の方法】
- 大学・専門学校のパンフレットを片っ端から請求する:
- スタディサプリ進路やマイナビ進学などのサイトから、無料で一括請求できます。興味のない分野でも、あえて取り寄せてみましょう。パラパラめくるだけで、「こんな学問があるんだ!」という発見があります。写真やカリキュラムを見比べるのも面白いです。
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- オープンキャンパス・オンライン説明会に参加する:
- 百聞は一見に如かず。学校の雰囲気、学生や先生の様子を肌で感じることは非常に重要です。「なんとなく合わないな」という直感も大切な判断材料になります。
- オンラインなら気軽に参加できます。模擬授業を受ければ、その学問が自分にとって面白いかどうかを判断する助けになります。
- 社会人のインタビュー記事や動画を見る:
- YouTubeや、職業情報サイト(例:マイナビ進路「シゴトのなる木」、doda「キャリアコンパス」)には、様々な職業の人の働き方や、その仕事を選んだ理由が紹介されています。憧れの職業だけでなく、全く知らなかった職業の話も見てみましょう。リアルな働き方を知ることで、進路選びの解像度が格段に上がります。
- 読書をする(特に新書がおすすめ):
- 本は、知らない世界への扉です。小説、ノンフィクション、ビジネス書など何でもOK。特におすすめなのが「新書」です。様々な分野の専門家が、中高生にも分かりやすく最新の知識を解説してくれています。書店で「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマー新書」などのコーナーを覗いて、少しでもタイトルに惹かれたものを手に取ってみましょう。
インプットを増やす段階では、「決めなきゃ」と気負う必要はありません。「へぇ、面白いな」「こんな世界もあるんだ」と、純粋な好奇心で楽しむことが大切です。

Step 6:「仮のゴール」を設定して動いてみる
完璧な進路を最初から見つけようとすると、プレッシャーで動けなくなってしまいます。そこで、「仮のゴール」を設定することをおすすめします。
「今の時点では、なんとなく文学部が面白そうだから、第一志望は〇〇大学の文学部にしてみよう」
「Webデザインに興味があるから、とりあえず△△専門学校を目標に情報収集してみよう」
このように、「仮の」目標でいいのです。
仮のゴールを設定するメリットは、具体的な行動を起こせるようになること。例えば「〇〇大学文学部」と仮決めすれば、「じゃあ、入試科目を調べてみよう」「その大学のオープンキャンパスに行ってみよう」「必要な偏差値はどれくらいだろう」と、やるべきことが明確になります。
そして、その過程で「やっぱり文学よりも、社会学の方が面白そうだ」「この大学の雰囲気は自分には合わないかも」と感じたら、その時点で何度でも軌道修正してOKです。
進路選択は、一度決めたら変えられないものではありません。大学に入ってから転部したり、就職してから転職したりすることも可能です。まずは「仮決め」で一歩を踏み出し、動きながら考えていきましょう。
Step 7:人に話して思考を整理する
一人で悩み続けると、ネガティブな思考のループに陥りがちです。自分の考えや悩みを言葉にして誰かに話すことで、驚くほど頭の中が整理されます。
相手に完璧な答えを求めてはいけません。目的は、「話すことを通じて、自分の考えを自分で理解する」ことです。「〇〇について悩んでるんだけど、ちょっと聞いてもらってもいい?」と切り出してみましょう。
話しているうちに、「あ、自分は本当はこう思っていたんだ」と気づいたり、相手からの何気ない質問で、新しい視点を得られたりすることがよくあります。
誰に相談すればいいかについては、第5章で詳しく解説します。
【学年別】今すぐできることリスト
進路への悩みは全学年共通ですが、置かれている状況や、やるべきことは少しずつ違います。ここでは、学年別に「今すぐできること」をまとめました。
高校1年生:視野を広げる黄金期!焦らず土台を作ろう
高1は、まだ受験まで時間があり、可能性を広げるのに最適な時期です。焦って進路を絞り込む必要は全くありません。
- 文理選択は「どちらがマシか」でOK:
- 「やりたいこと」から文理を選ぶのが理想ですが、決まらない場合は「苦手科目を避けられる方」で選ぶのも一つの手です。数学が極端に苦手なら文系、国語や社会が苦手なら理系、という選び方です。後から変更するのは大変なので、迷ったら先生によく相談しましょう。文系から理系への変更(文転)より、理系から文系への変更(理転)の方が選択肢は広がりやすい傾向にあります。
- 学校の勉強を大切にする:
- 全教科をまんべんなく頑張っておくと、いざ進路を決める段階になった時に、選択肢が広がります。特に英語と数学は、多くの大学で必要になる重要な科目です。
- 部活動や委員会、学校行事に全力で取り組む:
- これらの活動は、協調性やリーダーシップ、課題解決能力など、社会で役立つ力を育む絶好の機会です。活動の中で自分の「好き」や「得意」が見つかることもあります。
- 色々な本を読む・映画を観る:
- 自分の興味のアンテナを広げる活動です。感想をノートに書き留めておくと、後で自己分析の材料になります。

高校2年生:進路研究の本格化!具体的に動き出す時期
高2は、進路を具体的に考え始めるのに最適な時期。「高3になってからでいいや」と思っていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
- Step 2で紹介した自己分析をやってみる:
- 夏休みなどの長期休暇を利用して、じっくり自分と向き合う時間を作りましょう。
- 気になる大学・専門学校の情報を集め始める:
- パンフレット請求やWebサイトのチェックを始めましょう。複数の学校を比較して、学べる内容や学費、就職実績などをリストアップしてみると良いでしょう。
- オープンキャンパスに最低1〜2校は行ってみる:
- 高3になると、模試や受験勉強で忙しくなります。比較的時間のある高2のうちに、気になる学校の雰囲気を体感しておくことを強くおすすめします。
- 模試の結果と向き合う:
- 自分の学力レベルを客観的に把握し、目標との距離を測りましょう。苦手分野を特定し、学習計画を立てるきっかけになります。
高校3年生:焦りとの戦い!時期別のアドバイス
高3は、時間との戦い。周りの雰囲気に焦りを感じることも多いでしょう。でも、大丈夫。今からでも遅くありません。
- 春〜夏休み前:
- 「仮のゴール」を設定する: Step 6で紹介したように、まずは仮の志望校・学部を決めましょう。それを目標に、受験勉強の計画を立ててスタートすることが最優先です。
- オープンキャンパスのラストチャンス: 夏休みは多くの大学でオープンキャンパスが開催されます。志望校候補には必ず参加しましょう。
- 夏休み:
- 過去問を解いてみる: 仮の志望校の過去問を一度解いてみましょう。出題傾向や難易度を知ることで、今後の勉強の方向性が定まります。
- 最終決定に向けて情報収集を加速: 併願校の検討も始めましょう。大学の入試情報サイト(パスナビなど)で、入試科目や配点、日程などを詳しく調べます。
- 秋〜冬:
- 出願校の最終決定: 模試の結果や過去問の出来具合を踏まえ、担任や塾の先生と相談しながら、受験する大学・学部を最終的に決定します。挑戦校、実力相応校、安全校をバランス良く組み合わせることが大切です。
- 「決まらない」と悩む時間があったら、目の前の勉強に集中!: この時期に悩んで勉強が手につかないのが一番もったいない。進路のことは一旦脇に置いて、基礎学力を高めることに全力を注ぎましょう。学力が高まれば、選べる大学の幅も広がります。
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進路選択の選択肢を徹底解説!大学・短大・専門・就職・その他
「進路」と一言で言っても、その道は様々です。それぞれの特徴を理解し、自分に合った道はどれか考えてみましょう。
大学(4年制)
- 目的: 専門分野に関する「学問」を体系的に、深く探求すること。幅広い教養(リベラルアーツ)を身につけること。
- メリット:
- 思考力が鍛えられる: 答えのない問いに対して、情報を集め、分析し、自分の考えを論理的にまとめる訓練(レポート作成や卒業論文など)をします。これは、どんな仕事に就いても役立つ普遍的なスキルです。
- 時間の猶予がある: 4年間という時間の中で、サークルやアルバイト、留学など様々な経験をしながら、じっくりと自分の将来を考えることができます。
- 就職の選択肢が広い: 「大卒」が応募条件となっている企業は多く、幅広い業界・職種への道が開かれています。
- デメリット:
- 学費が高い: 国公立か私立か、文系か理系かにもよりますが、4年間で数百万円の学費がかかります。
- すぐに専門スキルが身につくわけではない: 実学よりも理論や研究が中心の学部も多く、「卒業してすぐに即戦力」とはなりにくい場合があります。
- こんな人におすすめ:
- 知的好奇心が旺盛で、特定の分野を深く学びたい人。
- まだ将来の夢が明確でなく、大学生活を通して見つけたい人。
- 将来、幅広い選択肢の中から仕事を選びたい人。
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短期大学(2年制)
- 目的: 2年間で、特定の分野の専門知識や、社会で即戦力となる実践的なスキルを身につけること。
- メリット:
- 4年制大学より学費が安い: 在学期間が短いため、経済的な負担を抑えられます。
- 早く社会に出られる: 2年で卒業し、就職することができます。
- 4年制大学への編入も可能: 短大で学んだ後、4年制大学の3年次に編入する道もあります。学びたいことが明確になった時点で、より専門的な環境に移ることができます。
- デメリット:
- 時間が短い: 2年間はあっという間。サークルやアルバイトとの両立は、4年制大学より忙しくなる可能性があります。
- 求人が限定される場合がある: 職種によっては、「4大卒以上」が条件となっている場合があります。
- こんな人におすすめ:
- 学びたい分野(保育、栄養、秘書など)がある程度決まっている人。
- 早く社会に出て働きたい人。
- まずは短大で学び、その後4年制大学への編入も視野に入れている人。
専門学校(2〜4年制)
- 目的: 特定の職業に就くための、専門的な知識と実践的な技術(スキル)を徹底的に学ぶこと。
- メリット:
- 就職に直結するスキルが身につく: カリキュラムの多くが実習や演習で構成されており、即戦力として活躍できる力が養われます。
- 業界との繋がりが強い: 業界で活躍するプロが講師だったり、企業との連携が強固だったりするため、就職サポートが手厚いことが多いです。
- 同じ夢を持つ仲間と学べる: 目標が明確な学生が集まるため、モチベーションを高く保ちやすい環境です。
- デメリット:
- 進路の方向転換が難しい: ある分野に特化しているため、入学後に「やっぱり違う仕事がしたい」と思っても、他の分野への転換がしにくいです。
- 学問的な探求は少ない: 職業訓練がメインのため、大学のように幅広い教養を学んだり、学問を探求したりする時間は限られます。
- こんな人におすすめ:
- なりたい職業(美容師、調理師、看護師、声優、ITエンジニアなど)が明確に決まっている人。
- 理論よりも、手を動かして実践的に学ぶ方が好きな人。
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就職
- 目的: 高校卒業後、すぐに社会に出て働き、経済的に自立すること。
- メリット:
- 早くから経済的に自立できる: 同級生が学生をしている間に、収入を得て社会人経験を積むことができます。
- 実践の中で学べる: 仕事に必要なスキルは、働きながら(OJT)身につけていくことができます。
- 進学費用がかからない: 当然ですが、学費の負担はありません。
- デメリット:
- 生涯年収で差が出ることがある: 一般的に、大卒者と比較して生涯年収が低くなる傾向があります。(もちろん、高卒でも実力で高収入を得る人はたくさんいます)
- 選べる職種の幅が狭い: 求人が高卒と大卒で分かれている場合、専門職や総合職などへの応募が難しいことがあります。
- こんな人におすすめ:
- 早く働いて自立したいという意志が強い人。
- 家庭の事情などで、進学が経済的に難しい人。
- 明確に就きたい仕事があり、その会社が高卒採用を行っている人。
その他の選択肢
- 浪人: 第一志望の大学に合格するために、もう1年受験勉強に専念する道。強い意志と自己管理能力が求められます。
- 留学: 海外の大学や語学学校で学ぶ道。語学力はもちろん、異文化理解力や自立心が身につきます。
- ギャップイヤー: 大学入学前や在学中に、休学してボランティアや旅行、インターンシップなど、自分のやりたいことに挑戦する期間。欧米では一般的です。
どの道が正解ということはありません。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の価値観や性格に最も合う道はどれか、考えてみましょう。
誰に相談すればいい?頼れる相談相手と相談する時のコツ
進路の悩みは、一人で抱え込まずに誰かに話すことが大切です。ここでは、頼れる相談相手と、相談するときのちょっとしたコツを紹介します。
学校の先生(担任、進路指導担当)
- 特徴: これまで何人もの生徒の進路相談に乗ってきたプロフェッショナルです。最新の入試情報や、様々な大学・学部の特徴、卒業生の進路実績など、豊富な情報を持っています。
- 相談のコツ: 「どうすればいいですか?」と丸投げするのではなく、「〇〇大学と△△大学で迷っています」「〇〇という仕事に興味があるのですが、どんな学部に行けばいいですか?」など、少しでも自分で考えたことや調べたことを伝えると、より的確なアドバイスがもらえます。
親・保護者
- 特徴: 君のことを一番よく理解し、応援してくれる存在です。特に、学費など経済的な面については、必ず相談が必要です。
- 相談のコツ: 感情的に「ここに行きたい!」と主張するだけでなく、「なぜその進路を選びたいのか」「そこで何を学びたいのか」「将来どうなりたいのか」を、自分の言葉で論理的に説明する準備をしましょう。パンフレットやWebサイトの情報を一緒に見ながら話すと、理解を得やすくなります。
塾や予備校の先生・チューター
- 特徴: 学校の先生以上に、受験情報や各大学の難易度、入試対策に精通しています。特に、年の近い大学生チューターは、つい最近まで受験生だったので、リアルな体験談や勉強法を聞ける貴重な存在です。
- 相談のコツ: 勉強の悩みと合わせて、「この成績でこの大学は目指せますか?」「併願校はどう組めばいいですか?」といった、具体的な受験戦略の相談に適しています。
部活や習い事の先輩、年の近い大学生
- 特徴: 実際にその進路に進んだ「少し未来の自分」の姿です。大学生活のリアルな楽しさや大変さ、授業の様子、サークルのことなど、パンフレットには載っていない生の声を聞くことができます。
- 相談のコツ: 「〇〇学部って、実際どんな感じですか?」「なんでその大学にしたんですか?」など、気軽に質問してみましょう。憧れの先輩の話は、大きなモチベーションになります。
【コラム】相談するときの3つのポイント
- 丸投げしない: 「どうしたらいいですか?」ではなく、「自分はこう思うのですが、どう思いますか?」というスタンスで。
- 事前に情報を整理しておく: Step1でやったように、自分の悩みや考えを少し書き出してから相談に行くと、話がスムーズに進みます。
- 一人の意見を鵜呑みにしない: 色々な人の意見を聞いた上で、最終的に決めるのは自分自身。あくまで参考意見として聞く姿勢が大切です。

【保護者の方へ】お子さんの進路の悩み、どうサポートする?
この記事は、お子さん本人だけでなく、その進路を心配されている保護者の方も読んでいるかもしれません。お子さんが進路に悩んでいるとき、親としてどのように関わればいいのか、いくつかのヒントをお伝えします。
「早く決めなさい」は逆効果
お子さんが進路を決められないのは、怠けているからでも、やる気がないからでもありません。真剣に自分の将来と向き合っているからこそ、悩んでいるのです。「早く決めなさい」「どうするの?」という言葉は、お子さんを追い詰め、プレッシャーを与えるだけになってしまいます。まずは、その悩んでいる状況そのものを受け入れ、「悩むのは当たり前だよ」と伝えてあげてください。
「聴く」姿勢に徹する
親の価値観や経験談を一方的に話す(ティーチング)のではなく、まずはお子さんの話をじっくりと聴く(コーチング)姿勢が大切です。「何に悩んでいるの?」「どんなことに興味があるの?」と質問を投げかけ、お子さんが自分の言葉で考えを話すのを、辛抱強く待ってあげましょう。親に話すことで、お子さん自身が自分の考えを整理できることがよくあります。
一緒に情報を集めるサポーターになる
お子さんが興味を示した大学があれば、一緒にパンフレットを見たり、Webサイトをチェックしたり、オープンキャンパスに誘ってみるのも良いでしょう。「〇〇大学のオンライン説明会、一緒に見てみない?」といった声かけは、お子さんが行動を起こすきっかけになります。あくまで主役はお子さんであり、親はマネージャーやサポーターであるというスタンスが理想です。
経済的な話はオープンに
進路選択において、お金の話は避けて通れません。「うちはこれくらいまでなら出せるよ」「奨学金を借りるなら、こういう制度があるよ」といった経済的な条件は、できるだけ早い段階で、正直に、そして冷静に伝えておくことが重要です。それが、お子さんにとっての現実的な選択肢を考える上での重要な判断材料となります。
お子さんの人生は、お子さん自身のものです。親の役目は、お子さんが自分で納得のいく道を選び、歩んでいけるように、そっと背中を押し、いつでも帰ってこられる安全な基地でいることなのかもしれません。
よくあるQ&Aコーナー
最後に、進路に悩む高校生からよく聞かれる質問にQ&A形式でお答えします。
Q1. やりたいことが複数あって、一つに絞れません。
A. 素晴らしい悩みです!それは、君にたくさんの可能性がある証拠です。無理に一つに絞る必要はありません。まずは、その複数の分野に共通する要素はないか探してみましょう。例えば「歴史も好きだし、ゲームも好き」なら、「歴史をテーマにしたゲームを作る」という道があるかもしれません。また、大学で幅広く学べる学部(総合文化、教養学部など)に進学し、学びながら専門を決めていくという方法もあります。どちらか一方を大学で専門的に学び、もう一方はサークルや趣味として続けるという選択も素敵です。
Q2. 親に希望の進路を反対されています。
A. とても辛い状況ですね。まずは、なぜ親が反対するのか、その理由を冷静に聞いてみましょう。「将来が不安定だから心配」「もっと安定した職業に就いてほしい」といった、君を心配する気持ちが根底にあるはずです。その上で、なぜ自分がその進路に進みたいのか、情熱だけでなく、具体的なデータ(その分野の将来性、就職実績など)も示しながら、粘り強くプレゼンテーションを試みましょう。学校の先生など、第三者に入ってもらって話をするのも有効な手段です。
Q3. 興味のある学部と、偏差値的に行ける学部が違います。
A. 多くの受験生が直面する壁です。選択肢はいくつかあります。
- 挑戦する: 諦めずに、今から必死で勉強して、憧れの学部の合格を目指す。
- レベルを合わせた大学で同じ分野を学ぶ: 興味のある学問は、他の大学にも設置されているはずです。自分の学力に合った大学で、好きなことを学ぶ。
- 行ける大学に入ってから考える: まずは合格できる大学に入り、そこで新しい興味を見つけたり、編入や大学院で目標の大学を目指したりする。
大切なのは、どの選択をしても、その場所で自分が何を学び、どう成長できるかを前向きに考えることです。
Q4. 進路を決めた友達がキラキラして見えて、焦ります。
A. とてもよく分かります。SNSなどで友達の充実した様子を見ると、自分だけが取り残されているように感じてしまいますよね。でも、人は人、自分は自分。進路を決めるペースは人それぞれです。友達は、君の知らないところで悩んだり、苦労したりしているかもしれません。他人と比べることをやめて、自分のペースで、自分の進路と向き合うことに集中しましょう。君がじっくり考えた末に出した答えは、誰にも真似できない、君だけの価値ある選択になります。
Q5. 文理選択を間違えた気がします。今から変更できますか?
A. まずは学校の先生に相談しましょう。高2の早い段階であれば、変更(特に理系から文系への「理転」)が可能な場合もあります。しかし、履修科目の問題で難しいケースも多いです。もし変更が難しい場合でも、悲観する必要はありません。例えば、文系に進んだけれど理系の学部に進みたくなった場合、「文系科目で受験できる理系学部」を探すという方法があります。逆に、理系から文系学部への進学は比較的選択肢が広いです。今の環境でできる最善の策を、先生と一緒に探しましょう。

まとめ あなたの人生の主役はあなた。焦らず、自分のペースで一歩を踏み出そう。
ここまで、本当に長い文章を読んでくれて、ありがとうございました。
進路が決まらないという悩みは、暗くて長いトンネルのように感じるかもしれません。でも、この記事で紹介したように、トンネルを抜けるための地図や懐中電灯は、たくさんあります。
もう一度、大切なことを繰り返します。
- 進路が決まらないのは、君だけじゃない。焦る必要はない。
- 「やりたいこと」は、壮大な夢じゃなくていい。「ちょっと気になる」から始めよう。
- 自分を知り(自己分析)、社会を知る(情報収集)ことで、道は見えてくる。
- 完璧な正解はない。まずは「仮決め」で一歩を踏み出し、動きながら考えよう。
- 一人で抱え込まず、色々な人に相談してみよう。
進路選択は、「何になるか」を決めることだけが目的ではありません。
「自分はどんな人間で、何を大切にして、どう生きていきたいのか」
それを悩み、考え、探求していくプロセスそのものに、大きな価値があるのです。
だから、今はたくさん悩んでください。たくさん迷ってください。その時間こそが、君を大きく成長させ、未来の君を支えるたくましい根っこになります。
この記事が、君の不安を少しでも和らげ、次の一歩を踏み出すきっかけになったなら、これ以上に嬉しいことはありません。
あなたの人生の主役は、他の誰でもない、あなた自身です。
自分の心の声に耳を澄ませて、あなたのペースで、あなただけの物語を紡いでいってください。
心から応援しています。
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