「周りは結婚ラッシュだけど、自分は全く結婚したいと思わない。これっておかしいこと?」
「付き合っている恋人が『結婚願望がない』と言う。その本心が知りたい……」
今、この記事にたどり着いたあなたは、自分自身の結婚観に疑問を抱いているか、あるいは大切なパートナーの心理が理解できずに悩んでいるのではないでしょうか。
かつて「結婚=人生のゴール」「結婚して一人前」と言われた時代は終わりました。内閣府の少子化社会対策白書(令和4年版)を見ても、20代〜30代の独身男女において「結婚願望がない」と答える層は年々増加傾向にあります。
しかし、一言で「結婚願望がない」と言っても、その理由は千差万別です。「自由を愛しているから」というポジティブな理由もあれば、「親のような家庭を築く自信がない」という根深いトラウマが隠れている場合もあります。
本記事では、「結婚願望がない」という心理について、表面的な理由だけでなく、男女別の本音、深層心理、そしてこれからの時代をどう生き抜くかという人生設計まで、徹底的に解剖します。
自分自身を肯定するため、あるいはパートナーを深く理解するために、ぜひ最後までお付き合いください。
おすすめなぜ今、「結婚願望がない」人が急増しているのか?
個人の心理に踏み込む前に、まずは私たちが生きている「現代」という環境が、いかに結婚へのハードルを上げ、意欲を削いでいるかを確認しておきましょう。個人の問題だと思っていたことが、実は社会構造的な問題であることも多いのです。

結婚=幸せという「標準モデル」の崩壊
昭和から平成初期にかけては、「夫は仕事、妻は家庭」という標準モデルがあり、結婚することが社会的な信用や経済的な安定に直結していました。しかし、令和の現代において、この等式は必ずしも成立しません。
多様性の時代において、幸せの形は細分化されました。
- 仕事での自己実現
- 趣味への没頭
- 気の合う仲間とのシェアハウス
- 事実婚やパートナーシップ制度
このように選択肢が増えた結果、「結婚」は「義務」から「数あるライフスタイルの一つ(嗜好品)」へと変化したのです。わざわざコストとリスクを背負ってまで選ぶものではない、と考える人が増えるのは、ある意味で合理的な判断と言えます。
経済的不安と「コスパ・タイパ」重視の現代病
若年層を中心に広がる「コストパフォーマンス(コスパ)」や「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する価値観も、結婚願望の低下に拍車をかけています。
日本の平均賃金が伸び悩む一方で、社会保険料や物価は上昇し続けています。「自分の生活だけで手一杯」という状況下で、他人の人生まで背負う結婚は「コスパが悪い」と見なされがちです。
また、マッチングアプリの普及により、恋愛や出会いが効率化された反面、「もっと良い人がいるかもしれない」という迷いを生み出し、決断を先送りする心理的傾向も強まっています。これらが複合的に絡み合い、「結婚願望がない」という心理状態を作り出しているのです。
おすすめ結婚願望がない人の基本的な5つの心理
ここからは、男女共通で見られる「結婚願望がない人」の基本的な心理構造を5つのポイントで解説します。もしあなたが「なぜ自分は結婚したくないのか」を言語化できていないなら、以下のどれかに当てはまるはずです。

1. 自由を愛し、束縛を極端に嫌う「自律性」
最も多い理由は「自由を失いたくない」というものです。しかし、ここで言う自由とは、単に「遊びたい」という浅いレベルではありません。自分の人生の決定権(自律性)を100%自分自身で持っておきたい、という強い欲求です。
- 休日の過ごし方を誰にも相談せずに決めたい
- 夜中に突然ドライブに行きたくなったら行ける状態でいたい
- 部屋のインテリアや温度設定を自分好みに保ちたい
結婚生活は、小さな「合意形成」の連続です。今日の夕飯から将来の家の購入まで、常にパートナーとすり合わせを行う必要があります。自律性が高い人にとって、この「すり合わせ」のプロセス自体が、耐え難いストレスとなるのです。
2. 自分のお金と時間はすべて自分に使いたい「自己投資欲」
現代は娯楽にあふれています。旅行、グルメ、美容、推し活、ゲーム、自己研鑽。どれもお金と時間がかかります。
既婚者の多くは、収入の一部を家計に入れ、お小遣い制になることも珍しくありません。「自分が一生懸命働いて稼いだお金なのに、なぜ自由に使えないのか?」という疑問は、結婚願望を消滅させるのに十分な威力を持っています。
特に、独身時代に一定の経済力を持ち、豊かな生活水準を確立してしまった人ほど、「生活レベルを落としてまで結婚するメリットが見当たらない」と感じる傾向にあります。これは強欲なわけではなく、これまで築き上げたライフスタイルへの愛着なのです。
3. 他人と暮らすことへの根源的なストレス
「一人の時間が好き」というレベルを超えて、「他人が同じ空間にいるだけで気配を感じて休まらない」という心理タイプです。
恋人と旅行に行っても、2日目には「早く一人になりたい」と感じてしまう。仕事から帰ってきて、誰かが家にいると思うと気が重い。このような感覚を持つ人は、結婚生活そのものが精神的な負担となります。
これは「相手が誰か」の問題ではなく、「他人との共同生活」という構造そのものに対する拒否反応です。別居婚や週末婚なら可能かもしれませんが、一般的な同居を前提とした結婚には強い抵抗感を抱きます。
4. 責任を負うことへの回避本能
結婚は法的契約であり、重い責任が伴います。
- パートナーを経済的・精神的に支える責任
- 子どもが生まれた場合の親としての責任
- 相手の親族に対する親族としての責任
現代社会はただでさえ責任やプレッシャーが多い環境です。仕事で責任を負い、さらにプライベートでも重い責任を負うことに、「荷が重すぎる」「逃げ出したい」と感じる心理です。これを「回避性」とも呼びますが、自分自身のキャパシティを冷静に見極めた結果、責任を負わない選択をしているとも言えます。
5. 現状の生活に対する高い満足度
意外と見落とされがちなのが、「今の生活が最高に楽しいから」というポジティブな理由です。
仕事が充実しており、仲の良い友人がいて、趣味もあり、健康である。この「満たされた現状」に、結婚という異物を混入させることでバランスが崩れることを恐れています。
「何か欠けているものがあるから結婚する」のではなく、「欠けているものがないから結婚しない」。この心理状態にある人は、周囲が心配するほど本人は孤独を感じていません。むしろ、今の幸せを守るために「結婚しない」という選択を積極的に行っているのです。
おすすめ【男性編】結婚願望がない男性の深層心理と本音
ここからは男女別に、より具体的な心理を見ていきましょう。まずは男性特有の「結婚したくない」心理です。社会的な「男らしさ」の呪縛や、経済的なプレッシャーが大きく影響しています。

「ATM扱い」されることへの恐怖と警戒心
SNSやネット掲示板などで見かける「夫はATM」という言葉。これを見て、結婚に対して強い警戒心を抱く男性は少なくありません。
「一生懸命働いても、給料を搾取されるだけではないか」
「稼ぎが悪くなったら捨てられるのではないか」
特に、年収が高く、合理的な思考をする男性ほど、結婚を「ハイリスク・ローリターンの投資」と捉える傾向があります。愛があってもお金の問題は切り離せないと考え、法的な拘束力を持つ結婚に対して、搾取される恐怖を感じてしまうのです。
仕事と趣味だけで人生が完結している「没頭型」
男性の脳はシングルタスク傾向が強いと言われますが、仕事や趣味に没頭している時、脳内のリソースはそれで埋め尽くされています。そこに「恋愛」や「結婚」が入る隙間が物理的・精神的に存在しません。
例えば、起業したばかりで事業に全てを捧げたい時期や、休日はすべてロードバイクや釣り、ゲームに費やしたいと考えている場合、パートナーの存在は「自分の没頭を邪魔するノイズ」になりかねません。
彼らにとって、結婚して家庭を持つことは、自分のアイデンティティ(仕事や趣味)を削ぐ行為に他ならないのです。「いつか落ち着いたら」と言いつつ、その「いつか」は永遠に来ないパターンが多いのもこのタイプの特徴です。
既婚の友人を見て抱く「結婚は墓場」というイメージ
周囲の既婚男性友人の姿が、結婚願望にトドメを刺しているケースです。
- 飲み会で「小遣いが3万円しかない」と嘆く友人
- 「家に帰っても居場所がない」と愚痴る上司
- 休日は家族サービスで疲れ果てている同僚
これらの姿を目の当たりにすると、「独身の俺の方が圧倒的に楽しそうだ」と確信してしまいます。幸せそうな既婚者のロールモデルが近くにいない場合、結婚は「自由の墓場」「終わりの始まり」というネガティブなイメージで固定化されてしまいます。
性的な自由を失うことへの抵抗感
本音ベースで語るならば、特定のパートナー一人だけに性的な関係を縛られることへの抵抗感も、男性の結婚願望を低下させる要因です。
「まだ遊びたい」「いろいろな女性を知りたい」という本能的な欲求が強い場合、一夫一婦制の結婚制度は窮屈でしかありません。特に現代はマッチングアプリなどで出会いの機会が豊富にあるため、「結婚して一人の女性にコミットする(=他の可能性をすべて捨てる)」という決断を先送りしたくなる心理が働きます。
おすすめ【女性編】結婚願望がない女性の深層心理と本音
次に、女性の心理を深掘りします。女性の場合、結婚がもたらすライフスタイルの変化が男性よりも激しいため、より現実的でシビアな視点から「結婚願望なし」に至るケースが目立ちます。

キャリアの中断と家事・育児負担への不公平感
「男女平等」が叫ばれて久しいですが、現実には家事・育児の負担はいまだに女性に偏りがちです。
キャリアを大切にしている女性にとって、結婚・出産は「積み上げてきたキャリアが中断されるリスク」と映ります。「なぜ結婚したら、女性側だけが名前を変え、住む場所を変え、仕事を調整し、家事を負担しなければならないのか?」という不公平感です。
特に、仕事で優秀な女性ほど、家庭に入って「誰かのサポート役」になることに抵抗を感じます。「夫の世話をするために生きているわけではない」という自尊心が、旧来的な結婚観を拒絶させるのです。
義実家付き合いや「嫁」という役割への拒絶
結婚は「家と家との結びつき」という側面がまだ日本には残っています。
- お盆や正月の帰省義務
- 義母からの干渉
- 介護要員として期待されるプレッシャー
これらを想像しただけで、「面倒くさい」「絶対に嫌だ」と感じる女性は多いです。「嫁」という役割を押し付けられることへの嫌悪感です。パートナーのことは好きでも、その背後にある「義実家」というシステムに関わりたくないため、あえて事実婚を選んだり、独身を貫いたりするケースが増えています。
推し活・女子会で満たされる承認欲求と幸福感
現代の女性は、パートナーがいなくても精神的に満たされる手段を多く持っています。
「推し活」は、疑似恋愛以上のときめきと情熱を提供してくれます。
「女子会」は、深い共感と承認欲求を満たしてくれます。
「彼氏や夫がいなくても、推しがいれば毎日幸せ」「女友達と美味しいものを食べて旅行に行くのが一番気楽」という心理状態です。これらは決して強がりではなく、結婚によって得られる(かもしれない)あやふやな幸福よりも、確実に手に入る現在の幸福を選んでいるのです。
男性に対する不信感・嫌悪感(ミサンドリー)
過去の恋愛でのトラウマ、父親との関係、あるいはニュースで見る性犯罪やDV報道などの影響で、男性という性別そのものに不信感や嫌悪感を抱いているケースです。
「男性は裏切る生き物だ」「威圧的で怖い」といった認知がある場合、結婚して男性と同じ家で暮らすことは恐怖でしかありません。この場合、結婚願望がないというよりは、「男性と深く関わることへの回避」が根本にあります。生理的な嫌悪感が強い場合、無理に結婚を目指すことは精神衛生上大きなリスクとなります。
育ちや性格が影響?「結婚しない」を選ぶ深層心理学的アプローチ
ここまでは、表層的な理由や社会的な要因を見てきましたが、ここからはもう少し深い、「心の内側」「無意識の領域」にスポットを当てます。本人が自覚していない「結婚したくない本当の理由」がここに隠されていることがあります。

愛着スタイル(回避型愛着障害)との関連性
心理学には「愛着スタイル(アタッチメント・スタイル)」という概念があります。幼少期の養育者との関係性で形成される、対人関係のクセのようなものです。
この中で「回避型愛着スタイル」を持つ人は、他人と親密になることを無意識に避ける傾向があります。
- 人と距離が近づきすぎると息苦しくなる
- 自分の悩みや弱みを人に見せられない
- 束縛されることを極端に恐れる
彼らは「親密性への恐れ」を持っています。パートナーを愛していないわけではないのに、関係が深まり、結婚の話が出た途端に冷めてしまったり、逃げ出したくなったりする(いわゆる「蛙化現象」の一種とも関連します)。これは性格というよりは、防衛本能の一種であり、結婚という「究極の親密な関係」に対する無意識の拒絶反応なのです。
両親の不仲・離婚が与えるトラウマ
「結婚=不幸」という図式が幼少期に刷り込まれているパターンです。
- 両親がいつも怒鳴り合いの喧嘩をしていた
- 母親が父親の悪口を言い続けていた
- 冷え切った家庭内別居を見て育った
子どもにとって、両親は「夫婦のサンプル第一号」です。そのサンプルがネガティブなものであれば、「あんな風にはなりたくない」「結婚してもどうせああなる」という学習性無力感を抱くのは当然です。
頭では「自分たちは違う」と思っていても、深層心理では「結婚生活は苦痛に満ちた場所」という定義がなされており、それがブレーキとなって結婚願望をブロックしてしまうのです。
HSP(繊細さん)気質と共同生活の難しさ
近年認知が広まったHSP(Highly Sensitive Person)。生まれつき感受性が強く、環境からの刺激に敏感な気質の人たちです。
HSPの人にとって、家は「外で受けた過剰な刺激をリセットし、回復させるための聖域」です。しかし、結婚して他人が常に家にいる状態になると、その聖域が失われます。
- 相手の足音や生活音が気になる
- 相手の機嫌の変化を敏感に察知して疲れてしまう
- 一人でぼーっとする時間が確保できない
これらはHSPにとって死活問題です。「相手が嫌い」なのではなく、「刺激に耐えられない」。この切実な生理的特徴が、結婚願望を持てない大きな要因となっているケースは非常に多いです。
アロマンティック・アセクシャルという可能性
心理的な問題やトラウマではなく、そもそも性的指向や恋愛指向として「他人に恋愛感情や性的欲求を抱かない」という人たちがいます。
- アロマンティック: 他人に恋愛感情を抱かない
- アセクシャル: 他人に性的欲求を抱かない
これまで「まだ良い人に出会っていないだけ」「晩熟なだけ」と片付けられてきた人たちの中には、これらに該当する人が一定数存在します。彼らにとって、恋愛や結婚を前提とした社会規範は非常に生きづらいものです。「結婚願望がない」のは病気でもわがままでもなく、単に「そういう性質(セクシュアリティ)」であるという理解が必要です。
おすすめパートナーに「結婚願望がない」と言われたら?別れるべきか、待つべきか
「私は結婚したいけれど、彼は結婚願望がないと言っている」。この状況は非常に苦しいものです。相手の気持ちを変えることは容易ではありませんが、ただ我慢して待つだけでは時間は過ぎ去ってしまいます。
ここでは、パートナーの「結婚願望がない」という言葉をどう受け止め、どう動くべきか、具体的な対処法を解説します。

「結婚そのものが嫌」なのか「今はまだ」なのかを見極める
まず確認すべきは、相手の言葉の「期限」です。
「一生独身でいたい(Principles)」のか、「今は仕事が忙しいから考えられない(Timing)」のか。この2つは天と地ほど違います。
- タイミングの問題であれば: 具体的なゴール(昇進したら、貯金が〇〇万円貯まったら、など)を設定できるか話し合いましょう。
- 信念の問題であれば: 残念ながら、話し合いで解決する可能性は低いです。あなたの人生設計において「結婚」が必須であれば、関係を見直す勇気が必要です。
残酷な真実:「あなたとは」結婚したくないだけの可能性
心理学的に最も目を背けたくなる現実ですが、「結婚願望がない」という言葉は、オブラートに包んだ拒絶である場合があります。
「今の関係は心地よいけれど、責任を負うほどの相手ではない」
「もっと良い人が現れるかもしれないから、キープしておきたい」
このような心理(いわゆるコミットメント恐怖や現状維持バイアス)が働いている場合、相手は「結婚制度自体に疑問がある」といった抽象的な哲学を語りがちです。
見極めるポイントは、「もし明日、私が余命宣告されたらどうする?」といった極限の質問や、親への挨拶を頑なに拒むかどうかです。あなた個人の人生に対する責任感が見えない場合、それは「あなたとは結婚したくない」のサインかもしれません。
タイムリミットを設定し「選択」を迫る勇気
もしあなたが結婚を望むなら、相手のペースに永遠に合わせる必要はありません。自分の人生の主導権を取り戻すために、「期限(タイムリミット)」を設けましょう。
「私は〇歳までに結婚して家庭を持ちたいと思っている。あなたにその気が全くないなら、次の誕生日に別れよう」
これは脅しではなく、お互いの人生を尊重するための提案です。本当にあなたを失いたくないと思えば、相手の「結婚願望がない心理」よりも「あなたを失う恐怖」が上回り、覚悟を決めることがあります。逆に、そこで去っていく相手であれば、遅かれ早かれ別れる運命だったのです。
「事実婚」や「パートナーシップ」という第三の選択肢
相手が拒んでいるのが「法的な結婚制度(入籍)」や「家父長制的な役割」である場合、事実婚(内縁関係)を提案するのも一つの手です。
- 名字を変えなくていい
- 親戚付き合いを最小限にできる
- 法的な拘束力が弱く、心理的ハードルが低い
「形式にはこだわらないけれど、あなたとずっと一緒にいたい」というアプローチであれば、結婚アレルギーを持つパートナーも受け入れやすい場合があります。お互いが心地よい「契約内容」をカスタマイズする感覚です。
一生独身で生きるメリット・デメリットを冷静に比較
「結婚しない」という選択は、逃げではなく「戦略的撤退」あるいは「積極的選択」です。しかし、その選択には必ず対価が伴います。感情論抜きで、一生独身で生きることの損得勘定(B/S・P/L)を見てみましょう。

【メリット】圧倒的な自由とリソースの集中
- 時間と意思決定の完全な自由
転職、移住、長期旅行、起業。これら人生の重大な決断を、誰の許可も得ずに即日実行できます。この機動力は、変化の激しい現代において最強の武器になり得ます。 - 経済的リソースの最大化
稼いだお金はすべて自分のものです。教育費や住宅ローン(家族用)という莫大な固定費がかかりません。趣味に全額投資することも、早期リタイア(FIRE)を目指して投資に回すことも自由自在です。 - 人間関係のストレスフリー
「嫁姑問題」「親戚付き合い」「PTA活動」「ママ友・パパ友」といった、結婚に付随する人間関係の悩みがゼロです。嫌いな人とは付き合わなくていい、という環境は精神衛生上、非常に大きなメリットです。
【デメリット】社会的信用の壁と「有事」の脆弱性
- 社会的信用とバイアス
悲しいかな、日本ではまだ「いい歳をして独身=何か問題があるのでは?」という無意識のバイアスが存在します。家を借りる際やローンを組む際、あるいは出世の場面で、既婚者の方が有利に働くケースは依然としてあります。 - セーフティネットの欠如(病気・介護)
最大のリスクは「健康を損なった時」です。インフルエンザで動けない時に水を買ってきてくれる人がいない、入院の手続きをしてくれる人がいない。親が亡くなり、兄弟もいない場合、あなたは「天涯孤独」となります。 - 老後の孤独と「看取り」の問題
若いうちは友人がいますが、友人もやがて家庭を持つか、先に亡くなる可能性があります。高齢になり、身体が動かなくなった時、誰と話し、誰に助けを求めるのか。孤独死のリスクは、独身者にとって避けて通れない現実的な課題です。
結婚せずに幸せに生きるための人生設計(マネー・老後・法的備え)
「結婚願望がない」という心理に従って生きるなら、その分だけ「自立への投資」を徹底する必要があります。家族というセーフティネットがない分、お金と法律で自分を守る城を築かなければなりません。
ここでは、独身貴族を貫くための具体的な戦略を提示します。

1. 独身者が確保すべき「防衛資金」の目安
「老後2000万円問題」が話題になりましたが、独身者の場合、この額はさらに上積みが必要と考えたほうが無難です。なぜなら、夫婦であれば年金が2人分入りますし、同居による生活費の圧縮効果(スケールメリット)がありますが、独身者はすべてが割高だからです。
- 住居費: 賃貸なら死ぬまで家賃が発生。持ち家なら修繕費を一人で負担。
- 介護費用: 家族に頼れないため、プロのサービス(有料老人ホームなど)をフル活用するための資金が必要。
目標額の目安:
最低でも3000万円〜5000万円(公的年金の受給額による)。
これを達成するためには、20代・30代のうちからiDeCoやNISAを活用し、「家族を養うコストがかからない分」を確実に投資に回す規律が求められます。
2. 「身元保証人」と「入院・手術」の壁をどう越えるか
独身者が最も困るのが、入院や手術、賃貸契約の際に求められる「身元保証人」です。親が高齢化したり他界したりした後は、兄弟や甥・姪に頼むことになりますが、関係性が希薄だと断られることもあります。
対策:
- 身元保証サービス(民間)の活用: NPOや民間企業が提供する、家族代行サービスを契約しておく。
- 任意後見制度: 判断能力があるうちに、将来認知症などになった際の財産管理や身上監護を任せる人を決めておく(弁護士や司法書士など)。
これらは「転ばぬ先の杖」です。元気なうちにリサーチし、契約しておくことが、将来の自分を守ります。
3. 「死後事務委任契約」で立つ鳥跡を濁さず
自分が死んだ後の手続き(葬儀、納骨、役所への届出、SNSアカウントの削除、遺品の整理など)を誰がやるのか? 頼れる親族がいない場合、これらを第三者に託す契約が「死後事務委任契約」です。
「誰にも迷惑をかけずに死にたい」と願うなら、この契約は必須です。これを用意しておけば、「孤独死して発見が遅れ、大家さんに迷惑をかける」といった最悪の事態に対する心理的不安も軽減されます。
4. 孤独を回避する「ゆるいコミュニティ」の確保
結婚しない心理の根底には「一人が好き」という思いがありますが、人間は完全に一人では生きられません。重要なのは、「家族」という重い絆ではなく、「友人」や「趣味仲間」という適度な距離感のコミュニティを複数持っておくことです。
- 仕事関係以外のコミュニティ(趣味、ボランティア、行きつけの店)を持つ。
- シェアハウスやコレクティブハウスなど、適度な距離感で他者と共生する住まい方を検討する。
- SNSでのつながりを維持し、安否確認ができる状態にしておく。
これからは「血縁」や「婚姻」によらない、新しい形のご近所付き合いや互助システムが、独身者のライフラインとなります。

まとめ:「結婚願望がない」は正常な進化の形かもしれない
ここまで、「結婚願望がない心理」と「独身の人生戦略」について解説してきました。
最後に、あなたに伝えたいことがあります。
「結婚願望がない」というあなたの感覚は、決して異常なことでも、人間として欠落しているわけでもありません。
社会が豊かになり、個人の生存が保証された現代において、わざわざリスクを負ってまで群れ(家族)を作ろうとしないのは、ある種、生物として「個」が強くなった証拠とも言えます。あなたは、自分の幸福の形を、既存のテンプレートに頼らず自分で定義しようとしているチャレンジャーなのです。
結婚は「幸せになるための手段」の一つに過ぎず、義務ではありません。
- 結婚して、家族と支え合う人生。
- 結婚せずに、自由と自己実現を追求する人生。
どちらが優れているということはなく、「どちらの苦労なら引き受けられるか」という選択の問題です。
もしあなたが「結婚しない」道を選ぶなら、その選択に胸を張ってください。ただし、その自由を最後まで謳歌するためには、経済的な自立と、老後を見据えた冷静な準備が不可欠です。
この記事が、あなたの心のモヤモヤを晴らし、自分らしい人生の操縦桿を握るための一助となれば幸いです。あなたの選ぶ未来が、誰になんと言われようと、納得感に満ちたものであることを願っています。


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